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『Crash lovers』完結

『Crash lovers』6-6

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『Crash lovers』6-6


先輩とのラブラブデートで幸せルンルン気分のハズの夜…なのに
「お兄ちゃん…帰ってくるの遅いな……」
せっかくの幸せな気分も心配で薄れてしまった
お兄ちゃんはいつも夜遅くまでどっか行ってる時が多いケド…
今日はとくに遅い!
いつもなら日が変わる前に帰ってくるのに…もう真夜中の1時すぎてるんですケド!!
次の日に学校があるともっと早く帰ってくる…
明日は月曜日だから真夜中の1時になっても帰ってこないなんておかしいよ
しかも携帯に電話しても出ないしメールしても返ってこないし……
「うぅ…お兄ちゃん……」
何かあったのかもしれない
私は心配のあまり捜しに行くコトにした
このまま家で待ってても心配するコトしかできないし…
一応、万が一の時のタメに刀だけは持っていこう
お兄ちゃんが行きそうな所ってドコだろう…
心当たりがなさすぎて難しいよ
とりあえず私は自然と足が向く方、学校へ行く道を歩く
「真夜中だから昼間と違って人が全然いないわね」
…いや…いくら真夜中だからって……人の気配をまったく感じないのはおかしい……
それどころかあちこちから嗅いだ覚えのある異臭が…
暗くてよく見えないのよねこの道…
少し歩くと外灯の下に人が倒れてるのが見える
「っ……殺されてる…」
やっと暗闇にも慣れるとあちこちから匂う臭いの正体もハッキリしてきた
そこら中に死体が転がっているなんて…
どおりで人の気配がしないハズだわ
しかもこの殺し方は…
「イングヴェィ先輩…どうして……」
もう人殺しはしないと思ってたのに…
死体はずっと先の道にも続いてて辿って行くと駅前に出る
この辺の死体はまだ血が乾いてないからついさっき殺されたんだろう
ってコトは先輩は近くにいるハズ
それにしてもスゴイ…スゴすぎるわ……
町の人達を皆殺し…たったの一晩で……
いつもの私ならめちゃくちゃ興味を持つのに、相手がイングヴェィ先輩だと…複雑に胸が痛む
「セリカちゃん…こんな夜遅くに外に出たら危ないでしょ」
死体を辿って先輩を見つけると私が声をかける前に気付かれた
先輩が追い詰めてるのは…昼間に私をナンパした男、まだ生きてる
「化け物か…」
「じゃあ君は俺からセリカちゃんを奪う悪者ね
悪者は倒さなくちゃ…」
容赦なく頭にチェーンソーをぶち込んでナンパ男が息絶えたのを見てから先輩は私のほうを振り向く
「イングヴェィ先輩…」
ナンパ男を殺すのは100歩譲って私にちょっかいを出したからだとしても
「どうして町の人達を…」
「セリカちゃんを守るタメだよ
君のコト少しでも傷付ける奴は許さない
君を悲しませる奴、苦しめる奴、怒らせる奴…男も女も関係ない
全員…殺してあげる……
俺がセリカちゃんを守ってあげる助けてあげる救ってあげる」
「私に…何もしてない人だって……」
「そんなのいつかセリカちゃんを傷付けるかもしれないじゃん!
全然知らない奴でも歩き煙草とかで君を不快にさせる奴!
街中で大声で喧嘩とかしたり大きな音で君を怯えさせる奴!
それすらも許せないんだよねぇ!!
……君が少しでもイヤな思いをするのがイヤなんだ…」
先輩…そんなに深く私のコトを考えてくれてるんだ……
先輩の私への深い愛が先輩をココまで追い詰めちゃってる
「後ね…君を変な目で見る奴も嫌いなんだよね
君を好きになる奴は殺さなきゃ…
セリカちゃんを誰かに盗られちゃうよ
そんなの絶対イヤ…俺だけを見ててほしいんだもん
他の奴になんて渡したくない
女も安心できない
セリカちゃんちょっとレズっ気あるし」
えぇ…あってゴメンなさい
「だからみんな殺すんだよ
世界中の人間がいなくなれば…俺だけになれば…セリカちゃんはドコにも行かない
行かせない…もう…イヤなんだ……
君が俺じゃない別の人を好きになって離れていく夢を見るのは…」
先輩の瞳から涙が溢れてる
ただの夢にそこまで心配して不安になるなんて…
「生きてたら辛いコトもいっぱいあるの知ってる
でも、どんなコトがあっても先輩がいてくれるから私元気になれて頑張れるんですよ?
イングヴェィ先輩…私は前にも言ったケド、先輩以外好きになんかなりません」
「セ……っダメなんだ…
そう言葉にしてもらっても、君が辛い思いをしたりしそうになったら
誰かが君を好きになったら…」
まだ続くハズの私達の会話は突然黒い車が突っ込んできて途切れてしまった
何事!?と思うヒマもなく
「セリカちゃんッ…!?」
先輩が私に手を伸ばすのも届かず
私はあっという間にその車の中に引きずり込まれ拉致された
待って!何この急展開!!マジ急すぎてついていけないんですケド!!
先輩…先輩の手を掴めなかった……

「っちょっと!?私を拉致してもお金ないから何の得にもならないわよ!!?」
私を拉致した人は騒ぐ私の頭を自分の膝に押し付けて私の頭をポンポンしてくる
「よぉ、聞いた通りにそっくりだな」
誰?知らない男の声だケド…
私が可愛いから拉致ですか
「セリ…カに触んじゃ…ねぇ……
オマエの条件…呑だん…だからな……約束は守れ」
「お兄ちゃん!?」
拉致犯を間に挟んだ私と反対の席に息の荒いお兄ちゃんが…
「うー!スゴイ熱い!どうしたの!?風邪!?」
お兄ちゃんの顔に触れると熱い…
「条件の中に妹に触るなってのはなかったはずだが?」
「うるせぇよ…アンタは約束守れば……いい…」
えっえっ?何?お兄ちゃんこの拉致犯と知り合いなの?
今始めて拉致犯の顔を見るケド…
めちゃくちゃ可愛い女の子みたいな顔してるのに目が鋭くてナイフのような雰囲気を纏っててとてもじゃないケド可愛いって言えないし可愛いとも思えない不思議…
20歳くらいの男の人だ
匂いからして普通の人じゃないのはわかる
「約束って?私を拉致するコト?
私…イングヴェィ先輩の所にいなきゃ…」
とりあえず携帯で先輩に私は大丈夫って連絡しようとしたら拉致犯に取り上げられた
「何するの!?」
「オレは和彦、お前の兄貴に頼まれて協力する事にしたんだよ
悪いな
とりあえずはへばってる兄貴とオレの家にいろ」
「どういうコト…?」
まったく状況がわかりませんが
「後で約束果たしてもらうからな」
私が置いてけぼりにされてる中で和彦とお兄ちゃんの間では何かが成立してる
約束って何なのよ…
「…はっ!?さっきので……」
「安い、まだまだ安い」
「ふざけ…」
いつものお兄ちゃんと違う
「っ…わかった……
クソぉ…高すぎる買い物しちまったぜ……」
あのお兄ちゃんが誰かに弱いなんて…ありえない!!
高すぎるって1億とかかな…
和彦の家とやらに私達は軽く監視付きで監禁されてしまった
お兄ちゃんの熱が心配で私は看病しながら眠れない夜を過ごす
「セリカも寝ろ…俺のコトはいいから…」
「熱があるのに無理しそうだから監視」
「オマエが監視しなくてもされてるっての…」
まぁね…
熱が心配なのもあるケド聞きたいんだもん
和彦との約束が何なのか…
「……和彦との約束が気になるのか…」
私が聞く前に感づかれた
「約束って言うか…俺が頼んだんだ
アイツは俺より何十倍も何百倍も強ぇ奴でさ…」
アイツって言ってるケド和彦って年上だよね…私も呼び捨てにしてるケドね
お兄ちゃんって本当に恐いものなし
「俺はイングヴェィを殺したくても敵わなくて…
あの男は俺を殺しはしないんだよ
たぶんオマエに似てるからなんだろうケド」
お兄ちゃんには傷1つない
全力で先輩を殺しにかかってくるお兄ちゃんを傷付けず殺すコトもしない…
私との邪魔をするなら家族でも殺すって言ってたのに…優しい人
「…俺の代わりにイングヴェィを殺してくれって…セリカと引き離してくれってな…和彦に」
「はっ!?何言ってるのお兄ちゃん…
なんでそんな勝手なコトするのよ!?」
和彦に先輩の殺害依頼をするなんて…
お兄ちゃんより何十倍も何百倍も強い人なんだよね和彦って…
そんなのヤバイじゃない
先輩が殺されちゃう!!
「助けに行かなくちゃ!」
お兄ちゃんが横になってるベッドの隣にある椅子に座ってた私は立とうとするケドお兄ちゃんに腕を掴まれる
「行くなセリカ!
俺…オマエのタメに……」
お兄ちゃんが泣いてるのを見ても私は先輩のコトしか頭になかった
私のタメに…
先輩はそう言った
私のタメに……
私も先輩のタメに生きて死ぬ…だから先輩が殺されるなら私も一緒よ!
「お兄ちゃんが今まで私を守ってきてくれたコトにはとても感謝してるよ
今までもコレからも私はお兄ちゃんのコト大好き
でも…私が恋してるのは愛してるのはイングヴェィ先輩なの」
「……………………………………。」
私の言葉を聞くと私の手を掴むお兄ちゃんの力が抜けていく
わかってくれてありがとうお兄ちゃん
でも、私が部屋のドアを開けて出ようとした時
知らない人が私の前に立つ
「和彦様のご命令で貴女を逃がす訳にはいきません」
そう言われて目の前の男がパチンと指を鳴らすと急激な睡魔に襲われ立っていられなくなる
催眠術…?それも強力な…こんな時に眠るワケなんていかないのに……
意識が遠退く中でお兄ちゃんの行かせないと言う笑い声が頭に響いた


-続く-2011/04/23

 



 
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