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『Crash lovers』完結

『Crash lovers』6-5

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『Crash lovers』6-5


夜の8時、こんな時間に出かけるなんてお兄ちゃんは許してくれないだろうから
ストーカーシマスのついたストラップを携帯から外して部屋に置いて私は窓から外へ出た
もちろん…私の愛用の日本刀を持って
数日振りの刀を手にすると人殺しをしたくなってウズウズするケド…
私はまた人殺しをするタメにこれを手にしたんじゃない
先輩に過去の私を知ってもらうタメ
やっぱり私はもう人殺しはしないから…
「イングヴェィ先輩」
約束した近くの人気のない公園のベンチで先輩を発見
俯いた先輩に声をかける
「…セリカちゃん……
俺に引いてたよね……嫌いになった?」
「ビックリしただけです
先輩は普通の人だと思ってたから…」
私は刀を取り出して先輩に手渡す
「これ、私の大切だったもの
実は…私は人殺しが大好きな猟奇的殺人鬼だったんです……」
「うん、知ってたよ…」
えぇー!?知ってたのー!?
それじゃ…知ってて…私を好きになってくれたんだ……
「前の俺は人殺しなんて最低だって思ってた
でも、君に一目惚れした後に君が殺人鬼だって知って…
どうして君はそんなコトをしてきたんだろうってずっと考えてきたんだよね……」
ぐっ…やっぱり普通は最低だって思うし、人殺しなんて許されないコトだよね……
「…私、コレが大切なものだったって過去形にしたのは今は他に大切なものがあるからなんです」
「今、大切もの?」
先輩はココで会ってから始めて俯いた顔を私に向けてくれた
そう見てほしいの
私を…貴方の瞳に映して
「はい、今私の大切なものはこの恋心です
殺人鬼の私を普通の女の子に変えてくれる魔法
イングヴェィ先輩といると毎日が凄く楽しくて幸せなんです
大好きなんです…
イングヴェィ先輩以外…私ほしいものなんてない」
「セ…セリカちゃん…が俺を…大好きって……」
思い詰めて笑顔を失ってた先輩の表情が私の言葉で変わっていく
白い肌がみるみる赤くなって目元が口元が優しく
「はじめて好きって…空耳じゃないよね?」
「私!イングヴェィ先輩が大好きです!!
………初恋なんです」
いつも先輩から私を抱きしめてくれるから今日は私から先輩に抱き着く
先輩大好きってはじめて甘えたかも
「うん、ありがとう
めちゃくちゃ幸せだよ
セリカちゃんのコト大好きだよ愛してるね」
お膝の上に乗せてもらって抱きしめてもらえて頭撫でてもらって…
私…愛されてる…大切にされてる
先輩先輩大好き
きっと先輩は私の気持ちがわからなくて、私のタメに殺人鬼になっちゃったんだ
だからこうしてちゃんと私が応えたら先輩はもう人殺しなんかしないハズ
先輩は凄く凄く優しい人だもん
私が…先輩を殺人鬼にしちゃったんだ
これからは普通の恋人同士だよね…?


今日は!日曜日です
先輩とデートの日!なのです!
もちろんお兄ちゃんには内緒にして行くケド、もうずっとずっと約束した時から楽しみで楽しみでしかたなかった
「イングヴェィ先輩お待たせしました!」
「ううん俺もさっき来たばかりだから大丈夫だよ」
あ~この感じ!デート!!
待ち合わせ場所でこんなやり取りするのが夢だったわ
みんなと違うのが好きな私なのにこんな定番なコトもイングヴェィ先輩とならしたいの
「えっと、まずは映画を見…」
「キャー!引ったくりよーーー!!」
「いやー!痴漢ーーー!!」
「うわー!通り魔だーーー!!」
「…………………………………………。」
うるせぇよ!!!!!!!!!静かにしろゴミどもが!!!!
せっかく楽しいデートなのに…もう気分最悪!!
待ち合わせの駅前が騒がしいのはいつものコトだケド…うん犯罪多過ぎ
この町は全国でも断トツで犯罪件数が多いの
猟奇的殺人鬼の私達が目立ちすぎて引ったくりとか痴漢とか通り魔とか万引きとかおっさん狩りとかが霞んじゃって見えるケド
本当はそういう犯罪もめちゃくちゃ多い…
「大丈夫ですか!?」
「あ、あはは…イングヴェィ先輩……」
しかも先輩ったら普段人殺ししてるクセに変に正義感があるのか引ったくりやら痴漢やら通り魔やらを捕まえて一瞬で今日の町のヒーローになっちゃってるよ
「ありがとう」
「助かりました」
「ついでに救急車も呼んでくれないかな!僕刺されて血が出て痛いんだよね!」
そんな喋れるくらい元気なら自分で呼べよ!!
被害者からは感謝されて先輩のヒーローっぷりを見た周りのみんなが拍手を贈る
まぁ…なんか変な感じだケド、ちょっと嬉しいかも
自分の恋人が正しいコトをしてみんなから感謝されてる
私は今遠くから見て少しだけ距離が遠く感じるケド…先輩の優しい所…私大好きだもん
「ちーっす!」
「ちー…誰!?」
いきなり声をかけられたから知り合いかと思ったらまったく知らない2人組みの男に声をかけられた
見た感じ、アニメとかに出てくるヒーローに一撃で撃退されるナンパ野郎っぽい
「ねね彼女1人~?」
「オレ達と一緒に遊び」
「ません」
ナンパされるのはいつものコトだけど
「………俺の恋人に何か用…?お兄さん達……?」
先輩の前で私に声かけないほうがいいと思う…
私は…知らないよ……
私がナンパされてるコトにすぐ気付いた先輩は目で人殺せるような睨みでナンパ野郎を追い払ってくれた
「ちっ彼氏持ちか」
「リア充爆発しろ!」
ハハハ…やっぱり見た目通りアニメとかに出てくる弱すぎるナンパ野郎だったみたいね
「セリカちゃんって凄くモテるよね…」
「イングヴェィ先輩より素敵な人なんていませんよ
他の人なんてジャガイモにしか見えません」
ナンパされてる所を助けてもらったのが嬉しくて私は先輩の腕に抱き着く
いつもは自分が撃退しなきゃいけなかったから…
凄く…凄く嬉しい…
たったコレだけのコトなのに…なんでも嬉しいよ
「嬉しいな、ありがとうセリカちゃん
ココは賑やかすぎるね
映画はまた今度にして静かな所に行かない?」
「イングヴェィ先輩とならドコへでも行きます!」
はっ…!静かな所…と言えば……
せ、先輩と…は…ははは…初…チュー…なんて!展開になっちゃったりして!?
そんなのダメ!!死ぬ!!!!!
今から心の準備したら間に合うかな

先輩の言う静かな所、先輩の家
…えっ!?家!?家!?家ですか!?
私、お兄ちゃん以外の男の人の部屋に入ったコトない!
あっウソついた
強盗遊びした時に知らない男の部屋に入ったコト何回かあったわ
お兄ちゃんと一緒に
「お昼までちょっと時間があるから一緒に昼食作ろうよ
セリカちゃんと一緒に料理するの夢だったんだよね」
や…ヤバイ…私、料理とかあんまりしないよぉ!
親がいないからいつもコンビニ弁当かインスタントラーメンとか…後は外食とか……
料理できない女なんて女じゃない!とか言われて幻滅されたらどうしよう
「好きな子と一緒に何かするのって楽しいと思うんだ
いつもねセリカちゃんと何しようかなって考えるんだよ」
「はい…」
私は料理できないコトだけが頭の中グルグルしてて…
先輩が家の鍵を開けて私を中に入れてくれる
「ちょっと恥ずかしいケド…誰かを好きになったの始めてで……
セリカちゃんが俺の初恋、もちろん初恋人だからね」
前に私が先輩は初恋だって言ったのと一緒だねって笑った
貴方が笑うと私の意識は料理から先輩へと移る
好きな人と何かを一緒にするのに悩んでどうするの私
楽しまなきゃ、先輩は料理できないからって私を嫌いになったりしない
一緒にやるんだもん
先輩の家だ~大きい広い~
そして静か…
休みの日なのに両親いないのか…
先輩には兄弟いるのかな?
家には誰もいないみたいだケド
「やっぱり一緒に作る料理と言えば定番のカレーですよね!?」
難しいものを言われる前に先に提案よ!
カレーなら肉と野菜切るだけだし、包丁の使いならなんとかなるわ!
だがしかし大根の桂剥きとかそう言う器用なコトはできません!
「カレー粉がないんだよね
インドまで行かなきゃいけないか…ちょっと行ってくるね」
なんか本格的!!!甘くみてた私が悪いですね
「ウソウソ、カレーのルーならあるよ」
か、からかわれたのね…私
「先輩が意地悪言うなんて…むー」
「セリカちゃんがあんまり可愛いからゴメンね」
ゴメンって謝ってるのに笑顔なのはなんでなの!?
イヤじゃないケド…照れるって言うか…私の新しい気持ち…何コレ
「ハート型~」
一緒に料理は凄く楽しい
お喋りしながらってのがいいよね
ニンジンをハートの形にして見せたら先輩はニンジンでウサギの形を作ってくれた
「セリカちゃんの好きなウサギさん」
「いいな~!私もウサちゃん作る!」
こんな感じでカレーはなんとか完成
ふぅ料理も楽しいものね
これからは花嫁修業も兼ねてお家でも料理しようかしら…
お兄ちゃんも喜んでくれるかもだし
「あっ!お米炊くの忘れちゃってた…」
「ぬ…私もカレーに夢中でご飯のコト忘れてた……」
「セリカちゃんは休んでて後は俺がやっておくからね」
本当なら女の子の私がやるんだろうケド、ココは先輩のお家だし私は一応お客さん
「は~い」
先輩に言われたら大人しくリビングのソファで休憩
先輩の匂いがするお家の匂い…心地良くて幸せ
将来、先輩と結婚したら毎日この匂いが嗅げるとか幸せなんだろうな
その前に先輩のお部屋見てみたいかも
絶対良い匂いする
先輩の匂いスゴイ好き
「はわ~…」
先輩の匂いが心地良すぎて和みすぎて幸せすぎて私はウトウトといつの間にか眠ってしまった
ご飯ができたら起こしてくれると甘えもあって気が緩んだのかもしれない

「に~…ネムネ……ハッ!?」
目が覚めると私はかなり爆睡してたコトに後悔で眠気が一瞬で吹き飛んだ
うたた寝をしてしまった私を無理に起こすコトもなく先輩は私をベッドまで運んでくれたみたい
それはありがたいんだケド…なんで先輩も一緒に…隣で…お昼寝を……
飛び起きたケドそこから恥ずかしくて一歩も動けない…
先輩の部屋だし…緊張します
「ん?…あっ起きたんだね」
あれ先輩も寝てると思ったら起きてたのか
「ゴ、ゴメンなさい…
私デート中に寝ちゃうとか…」
最悪…お昼ご飯も先輩お腹空かせてるハズなのに…
「謝るコトないよ
お昼寝もデートの1つだもん」
優しすぎるよ先輩は
そうやっていつも私のしたコトを良い風に言い換えてくれる
一緒にお昼寝もデートかもしれないケド、これは私が1人でうたた寝して悪いハズなのに
「でも、俺以外の男の前でうたた寝なんてしちゃダメだよ
何されるかわからないから」
先輩は私を優しく押し倒すと私のおでこに自分の額をコツンとくっつける
「…キスしちゃうの我慢するの大変だったんだからね……」
「…す…すみません………」
謝っていいのか私?
先輩にならキスでも何されてもいいです!とかいつも思ってるケド、実際その時が来たら凄く恥ずかしくて無理ってなりそう
今だってこの近い顔の距離だけで心臓が壊れそうなくらいドキドキしてる
好きって気持ちが爆発しないように目を閉じて治まるのを待つしかない
「…ねぇ、いいかな?」
来た…初チューですか!?初チューですか…
もう私死んじゃう
死んじゃいそうなのになんでイヤじゃないんだろう
恥ずかしくておかしくなりそうなのになんで…拒まないのかな
「は…っ」
いって言おうとしたら空気の読めない私の腹の虫が…「くぅ~~~」と鳴いた
あ~~~~~!!お腹鳴るとか死ぬほど恥ずかしいし!
このタイミングで!?ありえないよ!!
「……は……腹が減りました」
「ふっ、あははは」
「に~~~」
涙が出てくるぅ…先輩にめちゃくちゃ笑われた…シクシク
雰囲気ぶち壊してすみません
そして、ホッとしたような残念なようなこの複雑な感情は何
「あ~ご飯にしよっか」
「………はい……」
でもやっぱり残念だよ
先輩のコト好きだもん
だから…どんなに死ぬほど恥ずかしくても、キスしてもらいたかった…かも
「そんなにガッカリしなくても、今度ちゃんとしてあげるよ
俺も今日は残念…なんてね」
私の気持ちを汲み取るように先輩は離れる前に軽く私の額にキスしてくれた
「………はっ!」
不意打ちすぎる額へのキスは私の熱を上げる
沸騰して死ぬかもしれない
でも死なない…先輩が冷たい手で私の頬を冷やしてくれるから
私は私の頬に触れる先輩の手に触れる
先輩の冷たい手好き
すぐに先輩のコトで熱くなる私の身体が楽になるの
「セリカちゃんは本当に可愛いね」
「………そんなコトは……」
もう喋らないで動かないで…
先輩が喋ると動くと私は死んじゃうよ
恋に溺れて愛に押されて…でも、幸せなの大好きだもん


-続く-2011/04/23

 



 
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