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『Crash lovers』完結

『Crash lovers』6-1

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『Crash lovers』6-1


「今まで、ありがとうございました」
クローゼットの奥のほうに封印した愛用の日本刀に深々と頭を下げる
そう…イングヴェィ先輩と出逢ってはじめての恋をした私は
この恋を叶えるタメに人殺しをやめるコトに決めたの
私にとっての殺人は趣味みたいなものだったケド…そんなイカれた私が恋愛なんてできるワケがない
お兄ちゃんはあれだけど、私は変わるわ!!
普通の女の子になるんだからね!!
「おい…何クローゼットとブツブツ会話してんだよ?」
「わっ!?」
後ろからお兄ちゃんに声をかけられてビックリする
いつの間に!?
お兄ちゃんから貰った大事な刀を封印したなんて知られたら半殺しにされかねない…
「いやね、明日学校に何着ていこうかなって…悩んでたところ」
「普通に制服着て行けよバカかオマエ」
「ですよねー!」
ホッ、とりあえずお兄ちゃんは気付いてないみたい
よかったよかった
後で見つかった時が恐いケド、そん時はそん時!

そして次の日
半身のように大事にしてた刀を携帯してないとなんだかソワソワして落ち着かない…
でも!慣れるのよ私!!
「はい、ではクラスで1番可愛い子は犬飼さんに決定です
みなさん拍手っ!」
「ほへ…?」
わぁ~って憧れの眼差しを向けられパチパチされても…
ソワソワしてて全然話し聞いてなくて展開が見えないんですケド…
確かうろ覚えな記憶を辿れば今の時間は学級委員長を決めるんじゃなかったっけ?
黒板には私の苗字、犬飼の下に正の文字がいくつも並んでいる
私の名前の横に何人かの名前も書かれてるケド、正の文字が未完成のままに終わっていますね…
クラスで1番可愛い子…
「まぁ!当然よね~!
私みたいな可愛くて綺麗な子が他にいるワケないもんね~
みんなありがとう!」
すぐ調子に乗る私
褒められるとすぐ調子に乗るから!!
「ははは、4組に同じ顔の奴いるし」
う、うるさいな!同じ顔でもお兄ちゃんは全然可愛くないよ!!
「では犬飼さん、これからは学級委員長として頑張ってください」
「はいッ!……うん、えっ?なんて?」
クラスで1番可愛い子を決めてたんだよね!?
いつから学級委員長決める話に!?
いや、最初は学級委員長決める話だったケド!
私だけクラスから浮いてて置いていかれてるよ!!
「めっちゃモテる委員長が流行ってるので、クラスで1番可愛い子が…」
「たぶんあれだと思われるアニメと現実を一緒にするなこのハゲ先!!!!!!(ハゲてる先生の略)」
私はめちゃモテてるかもしれないケド、学級委員長なんてめんどくさいの絶対イヤーーー!!
しかもあのアニメそういう話じゃないだろ!!
私の美貌を他人にアドバイスする気なんてサラサラねぇぞ!?
私の美しさはお兄ちゃんと私だけのもの!自己満足!!
「投票で決まったのでお願いします
断れば通知表オール0にするんで」
「0なんてあんの!?最低1じゃないの!?
そんなんされたら卒業できませんよ!!」
先生の権限を持って私を脅してくるなんて…クソめ……
「セリカちゃん頑張って、私も副委員長として色々お手伝いするわね」
隣の席にいる友達の結夢ちゃんの説得に渋々現実を受け入れるコトに…
黒板をよく見ると断トツで正の文字を得てる私の次に結夢ちゃんが多かった
だから副委員長なのね
まっ結夢ちゃんと一緒ならまだいいかな
学級委員長が決まったコトでコレから放課後も微妙に忙しくなるらしい…
先輩と一緒に帰る貴重な時間がぁ…
とりあえず、委員長の仕事する前にお兄ちゃんの教室まで行って報告へ
「えっ?セリカも学級委員長になったのか?」
「セリカもってコトは…お兄ちゃんもめちゃモテ委員長に!?」
4組の教室に行くと何故か教室が戦争でも起きたのかと思うほどに荒れ
真ん中には人間が山積みにされている(気絶してるだけで生きてるみたいだケド)
その人間の山の上に堂々と君臨してるお兄ちゃん…
何があった
まずめちゃモテよりこの状況のが気になって仕方ないよ
「はっ?めっちゃモテる?
俺のクラスではバトルロワイアル方式で勝った奴がボスになんだよ」
このクラス学級委員長じゃなくてボス決めてるよ!?
意味あんの!?
まぁ…納得…お兄ちゃんに勝てる人なんてそうそういないしね
殺さないで倒せたコトがスゴイよ
この人、体力もそんなにないし非力だから一撃必殺タイプでソッコー息の根止めてくるのに
「ってコトだから暫く一緒に帰れねぇかな
まっお互いボスの仕事が同じくらいに終わりゃ一緒に帰るぞ
強制だ!」
「私ボスじゃなくて委員長だから、一緒にしないで
わかった!それじゃ私さっそく先生に頼まれてるから行ってくるね」
お兄ちゃんに手を振って私は職員室へと走る
先輩にも委員長の仕事で一緒に帰れない日があるかもって伝えなきゃなんだケド、2年の教室に行くのってなんか勇気いるし
メールしてみようかな…
これも超緊張するし勇気いるし恥ずかしいケド!
でも…
「…ぅわっ!?」
恥ずかしいから無理~とかヘタレていると、でも幸せな気持ちだったのに廊下の角を曲がると何かにぶつかった
「痛い~…にぅ~…」
「犬飼さん!」
「ぬ…?」
誰!?私の名前を呼ぶこの男、知らない人ね
「ぼぼぼ僕、犬飼さんの事が好きなんです!」
そんなコトよりぶつかっといてゴメンもないとか惨殺もんだぞ!!(ぶつかったのは私だケドね!!)
男のモジモジ度からして私への好きは本物みたいね
なかなかのイケメンだけど
「付き合ってください!」
「…アンタと付き合ってなんか良いコトあんの?」
「命をかけて守ります!」
ふ~ん…
私の心はイングヴェィ先輩にあるし、なんて言葉を使って断ろうかなって考えているとズシンズシンと音が近付いてくる…
「ふぉっふぉっ、やっと見つけたぞ~さん」
続けてまた誰!?今取り込み中なのに空気読んでよ!!
語尾にゾウさん付けても全然可愛くねぇよ
廊下の天井まである身長と埋めつくすほどの横幅は生まれてくる世界間違えただろ
顔も濃ければ、喋り方もなんか重い
北〇の拳に転生して来い
大歓迎されると思うな
「見つけた?私に用が?それともこっちの男?」
こんな奴知らないケド…
「さっきおまいの兄貴にぼこぼこにされた恨み…ここで晴らすぞ~さん!!」
私か~…って!ちょっと待ちなさいよーーー!!!???
私関係ないでしょ!?
お兄ちゃんにボコられて勝てないからって妹の私をボコボコにしてお兄ちゃんに精神的ダメージを与えようと思ってんの!?
まぁ今までにもそう言うコトたまにあったケドさ!!
いつもなら返り討ちにしてやる所なんだケド…
今の私には刀がないし…あれがないと私はただのか弱い可愛い女の子なんだから!!
こんな化け物に勝てるワケないでしょ!!
心の中でキレて暴れてみたケド現実はどうにもならない
「あっ…僕、塾の時間なんで先に帰りますね!
さよなら犬飼さん!」
「待てコラー!!さっき命をかけて私を守るって言ったじゃない!!
何逃げてんの!?今がその時よ!さぁ私のタメに死になさいよ!!コラーァ!!」
最初から最後まで語尾にビックリマークを付けた男は私を置いて一目散に逃げ出した
…最初から信じてなんかいなかったわよ
私を好きって言う奴は、守るとか力になるとか頼ってほしいとか色々甘い言葉を口にしても
実際にそれを実行した人なんていない
いつもピンチになったら一目散に逃げて知らないフリして…私を見殺しにする
そんな腰抜けな男ばかりだから私は今まで初恋すらしなかったわ…
この世界での味方はお兄ちゃんと自分だけ
でも…
「ヤバイ…やられる……っ!」
人1人軽く掴めるような手が伸びてきて、もうダメだと半分諦めかけてた時…私の前に誰かが
「セリカちゃんには指1本触れさせないよ」
私が言われたい言葉ベスト10に入る台詞を言いながら大男の手を払うのは
「イングヴェィ先輩…!」
「喧嘩はあまり好きじゃないんだ
引いてくれるよね?」
大男に優しい声で先輩は話かける
先輩!そんな奴に話なんて通じませんよ!
このままじゃ先輩がやられちゃ…
「邪魔す…」
「…引いて…くれないの……?」
「!!…イングヴェィさんっお疲れ様っしっっったぁああ!!!!」
先輩が2回同じコトを言うと大男は頭を下げて超高速で逃げて行った
私からはその時の先輩の顔が見えなかったケド
「大丈夫?セリカちゃん、怪我とかしてない?」
私のほうに振り向いて手を差し延べてくれる先輩はいつものように優しく笑ってくれてる
みんな…みんな私を見捨てるのに、守ってくれないのに頼れないのに
お兄ちゃん以外…
でも、今は違う…今は私を守ってくれる貴方がいる
だから私は…イングヴェィ先輩を好きになって、初めての恋をしているの
「大丈夫です…イングヴェィ先輩が来てくれたから
ありがとうございます」
先輩だけは特別
口だけじゃないいつも私を本気で心配して大切にしてくれる
大好きな先輩の手を取り立ち上がる
「よかった~」
こんなにも近くで先輩の笑顔が見れて幸せ
好きの気持ちが私の身体を熱くする
私の体温と気持ちまでもが一緒に先輩の冷たい手から伝わったら恥ずかしいな
ずっとずっと…見ていたい笑顔
「あ、あのイングヴェィ先輩…いきなりなんですけど
私…学級委員長に選ばれちゃって…これから先生に頼まれたコトやらなくちゃ」
「セリカちゃんも学級委員長になったの?」
もっと良い雰囲気にほわわ~んって幸せ感じたかったケド、伝えなきゃいけないコト忘れちゃあれだから…
悲しい寂しいもっとイチャラブりたい(恥ずかしくて死ぬケド)
「もってコトはイングヴェィ先輩もですか!?」
「うん、クラスで誰が1番動物に好かれるかで決まっちゃって」
この学校おかしいだろ!!!??
なんで学級委員長決めるのに動物に好かれたりバトルロワイアルしたりめちゃモテなきゃならないんだよ!!
学級委員長に何を求めてるんですか?
カリスマと強さと可愛さですか?
「他のクラスでは、三色団子を放り投げた瞬間に誰が1番素早く口の中に入れられるかとか誰が1番顎の角度がヤバイかとか色々あるみたいだよ」
何を求めてるのか今この瞬間マジでわからなくなった
そのクラスじゃなくてよかった!!もう学級崩壊しろ!
「学年は違っても俺とセリカちゃんは同じ委員長だから何か困ったコトがあったらいつでも言ってね
俺が1年の時も誰が1番人間離れしてるかで委員長に選ばれたコトあるから色々教えてあげられると思うし、なんでも協力するよ」
「ありがとうございます」
確かに先輩は人間離れした美しい容姿をしてるけど…
だからなんでそんな意味不明な決め方なんだよ…
「うん」
私はもう先輩の太陽な笑顔だけで色々頑張れるような気がします~
鼻血出るくらいキュンってなる
カッコ良くて綺麗で…素敵……
みんなのアイドルみたいなイングヴェィ先輩と恋人同士なんて夢みたい
はぁ…ずっと一緒にいたいケド
もうそろそろ委員長の仕事しなきゃ結夢ちゃんも待たせちゃってるし
でも、離れるのヤダ…先輩…好きだもん……
「それじゃ、もう少しだけ一緒にいよっか」
私の顔に書いてあったのか、先輩は私の気持ちを読んだかのように汲み取って手を優しく握ってくれた
結夢ちゃんを待たせて悪い気持ちと先輩と一緒にいたいと言う私のワガママな気持ちを想っての、もう少し…
「はい…嬉しいです…」
先輩…私は涙が出ちゃうほど好きです
「大好きなセリカちゃんと一緒だよ」
「うん!」
死ぬよ!!気持ちが心が爆発して即死しそうだよ
今日は一緒に帰れないかもしれないケド、メールも電話もあるし
今度一緒に帰れる日を楽しみにしちゃうもんね

-続く-2011/04/14


 
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