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『Crash lovers』完結

『Crash lovers』5-8

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『Crash lovers』5-8


「セリカぁ…俺のコト嫌いな……あれ?」
元の世界に戻って最初に目に入ったのは私と喧嘩別れして泣いてるお兄ちゃん
そしてココは私の部屋…
あっちで長いコト生活してたケド、カレンダーと時間を見るとこっちの世界の時間は少しも進んでない
「あぁ…ビックリした
セリカが魔王に連れて行かれる夢を起きたまま見てたわ」
「いや!それ事実だケドね!?」
お兄ちゃん現実逃避してる!?
起きたまま夢見ないし!!
懐かしい…お兄ちゃん久しぶり…
でも今の私の心は…
「セリカ、ゴメンなヒドイ事言って
俺オマエのコト好きすぎて…」
さっきまで泣いてたお兄ちゃんはケロッと機嫌良くなって私を勢いよく抱きしめるを通り越して押し倒し頬擦りしてくる
懐かしい!!このノリ!!懐かしい!!
「ううん…いいの……
でも、私今凄く悲しい…」
「!?何があったんだ!」
一瞬なんて悲しいよ
もうずっとあの世界で暮らすと思ってたのに
あんな一瞬で…レイにお別れ言えないまま
ううん、もう会えないなんて…イヤだよ……
 
あれから10年
私は恋人も作らずにいた
いくら私が可愛くて綺麗で超モテても、誰とも付き合う気にはなれなかったな
お兄ちゃんとは変わらず毎日一緒にいるケド…
はぁ…私ももう25歳か
別世界とかに行っちゃった高校生の頃が懐かしい
もうあのコトが夢にしか思えなくなった
それでも…私は誰も好きにならなかったのよね
高校の時のイングヴェィ先輩も私を好きと言ってくれたケド断って今は友達関係を続けてるハズだったけど…
「セリカちゃん、やっぱり俺は諦められないんだ君のコト」
「イングヴェィ先輩…」
お兄ちゃんの目を盗んで先輩と遊びに行った日のコト
彼もまた恋人を作らずずっと私を好きで追いかけていた
先輩は優しくて強くて何もかも完璧、一途に健気にピュアにこんなにも私を愛してくれる
その心は十分わかってるの
これだけ真剣に愛してくれる先輩なら私を幸せにしてくれるんだろうな
私も一生独身ってのはイヤだし、友達は次々と結婚しちゃうし…
まだ結夢ちゃんは結婚してないケド、結夢ちゃんもまだお兄ちゃん好きみたいね
お兄ちゃんは女の子に興味ないとか言ってる~
「前に聞いたケド、君には忘れられない人がいて
でも、もう二度と会えないんだよね…
君の気持ちを無視したいワケじゃないけど…君はもうあの時からずっと笑ってくれない
セリカちゃんが幸せじゃないのはイヤだよ
君が笑ってくれるように頑張りたいんだ俺
ずっと…出会った時から…愛してるから…幸せにしてあげたいよ」
私の幸せってなんだろう
先輩の幸せってなんだろう
先輩は先輩を好きじゃない私と一緒になって幸せなの?
いつも先輩は笑ってくれるケド、私から見ても昔の素敵な笑顔をずっと見てない
私が他の人を想ってるから先輩は本気で笑えないの
私が先輩を不幸に…10年も
こんなのお互いダメだわ
私ももう忘れて自分の人生を楽しまなくちゃ
じゃなきゃ…辛いだけだもん
「ゴメンなさい先輩…今まで心配かけて、これからは先輩を好きになるように頑張ります」
別世界に行く前までは先輩を愛してたんだから、今からでもその気持ちを取り戻すコトは不可能じゃないわ
前向きに!前向きに頑張るのよ私!!
「セリカちゃん…嬉しい
これ…受けとってくれるよね」
展開早いなオイ
私が先輩と恋人同士になるコトをOKしたらもう指輪出されたぞ
いつからか知らないケド準備してたんだ指輪
恋人通り越してフィアンセか~
先輩ならすぐにでも結婚式しそう
私のコト好きすぎるし
「ハイ…」
でも、私は受け入れるコトに決めたからいいや
ピンク色にキラキラ輝くダイヤモンドのリングが私の指にはめられようとすると
いきなり指輪が小さな蛇に変わって逃げ出した
「あれ…指輪が消えた…?」
「何さっきの蛇!?私蛇恐い!!」
目の前で起こったコトに軽くパニクッていると知らない男の声が私達の間に入る
「セリカのくせに浮気だなんて生意気だな」
誰ッ!?
予約してないと入れないレストランなのに何かのゲームのコスプレをしたような金髪青瞳の青年が現れた
誰!?って思うのに…この人どっかで見たコトがあって…
「オレを忘れたとか言うんじゃないだろうな
思い出すまで嫌がらせでもしてやろうか」
笑う顔はちょっと爽やかな感じなのに言ってるコトが何様
見た感じ20歳前後だけど私より年下じゃない
「いや!?知りませんよ貴方みたいなカッコイイ人…じゃなくて上から目線でSっぽい人なんて知り合いにいないもん!」
あっいたわ上から目線の人、お兄ちゃん
ちょっと私好みのカッコイイ美形だからって…マジで誰だ
「セリカちゃんの知り合い?」
先輩が私に変な男に付き纏われてるみたいな感じで心配すると
「あんた、セリカみたいな女やめといた方がいいぞ
誰も嫁に貰えるほどの女じゃないって
だから仕方なくオレの嫁にしてやるんだ」
男がそう言い返して私はハッと気付いた
あの時に言われた言葉の記憶を引きだされる
まさか…この金髪の男って……
「アンタ…レイなの?」
「やっと思い出したみたいだな」
私が名前を口にするとレイは嬉しそうに笑った
「思い出したって忘れたみたいに言わないでよ!
私…忘れてないし…ちょっとわかんなかっただけよ……
もうあれから10年も立ってるんだし、あの時なんて私よりチビでクソガキだったのに
今は……」
私より背が高くなって、カッコ良くなって…大人になったレイなんて…知らなくて当然じゃない
会えて嬉しいのに泣いてしまう
もっと貴方を見たいのに視界が霞んでよく見えない
ちゃんと見えなきゃこれは夢みたいに消えちゃうかもしれないのに
「オレが何もしてないうちに泣くなよな」
「だって…」
「まっ、セリカは貰っていくから…じゃな」
私をいきなりお姫様抱っこして先輩の前から連れだそうとする
待って!泣いてる場合じゃないわ
先輩に言わなきゃいけないコトが…
「イングヴェィ先輩…!あの私」
「…わかってるよセリカちゃん
君の忘れられない人ってその人なんでしょ?」
「あっはい…あの」
「謝らないで
邪魔をするつもりはないケド、俺はセリカちゃんが他の人に奪われても君を永遠に愛してるからね…」
永遠に…私だけを、イングヴェィ先輩の愛
「………ありがとうございます…イングヴェィ先輩」
今まで…私を好きでいてくれて、そしてこれからも……ありがとう
「…次こそは必ず君を……」
レイに連れ出されたのはいいものの…
10年振りにあった彼はかなり素敵になっててかなり緊張してしまう
しかもこう…まったく人気のない公園で外灯が照らすベンチなんだもん
いっぱい話したいコトがあるのに話せない…
「セリカは子供の頃とまったく変わらないんだな」
「確かにあの時15歳の子供だったケド、子供に子供って言われたくないわよ
それに私は昔よりさらに綺麗で可愛くなったでしょ
大人の女性よ大人の!
アンタなんてまだまだガキなんだし!」
「ぶっ、セリカが大人ねぇ
オレはもう18だよ」
7歳差!?くぅ…なんか悲しい……私ショタコンじゃないんだケド!
レイが先に話してくれると緊張してた私も自然と言葉が出る
でもやっぱり緊張する恥ずかしいよ
「18なんてまだガキよガキ!」
「ガキじゃないって所、見せてやろうか?」
な、なんか恐い……
「そ…そんなコトより、どうしてレイがこっちの世界に?
別世界に行けるのって魔王の特権だみたいなコトをリジェウェィさんに聞いたわよ」
「ん?あぁ、オレ魔王の子だからな」
「えっ!?魔王さん子供いたの!?」
バツイチ!?もしくは私は浮気相手だったの!?
「今の魔王じゃなくて前魔王だぞ
と言っても前魔王はとっくの昔に死んでるから、前魔王の魂がオレの母さんに次期魔王としての子を生ませたらしいが」
「なんか複雑なあれがあるのね…」
「今の魔王が死んだらオレが次の魔王みたいだな
つい最近それを母さんから聞かされたよ」
どうして人間の母さんを選んで次期魔王をハーフにしたのかわからないけどとレイは言う
それはもしかしたら魔族と人間が共存できるようにと思ったんじゃないかなと私は思った
「はぁ…アンタが実は前魔王の子だったとは……」
そっか、だから魔王さんの惚れ薬の効果を消すコトができてこっちの世界にも来れたのね
「その事実を叩き付けられた後に母さんに縁を切られたが」
「えっ!?そんな…」
「そんな顔するなよ
オレはセリカを見つける事ができてよかったんだ
突然いなくなって…捜したけど見つからなくてたどり着いた話は自分の世界に帰ったって」
「ゴメン…何も言わずに、私も急だったから」
「問題ないさ、もう諦めるしかないと思った時に魔王の子だと知れて自分にこの力があると自覚して会う事が出来たんだしな」
「レイ…」
あれだけ大好きだったお母さんから縁を切られたのにレイは少しも悲しくも寂しくもなく幸せそうな顔で笑う
「セリカがいればオレは長生きできる
もう諦めたりなんかしない」
「うん…レイ……よかった
強くなったね、大人になったね」
ビックリするくらい
「そう!大人になったから子供ではできなかった事がなんでもできる!」
「まだ18だし…お酒やタバコ、ギャンブルはダメよ」
「ふっ、あっちの世界では18歳から成人
酒も煙草もOKだが…そんなものに興味なんてないさ
色々覚悟しとけよセリカ
昔お前が言った通りオレが幸せになる為に尽くせ」
「っ!?」
不意打ちに軽くキスされてしまった…
な、なんて…マセガキなの……
大人って言ってもまだまだ子供よ!
昔とは何かが少し違う
ガキ…って思うのにキスされたコト全然イヤじゃない
「まずは結婚からか」
「1番最初に結婚!?早いよ!?」
10年の恋、これからはレイと…どっちの世界で暮らすのかわかんないケド
レイとならドコでもいいわ
やっと恋人同士になれたのね
嫁にしてやるって10年前の約束もすぐに叶いそう
なんて楽しみにしてる私バカね、でも幸せ

-Rei Best End-2011/04/11
 
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